ベーカリー デザイン|新規開業・店舗改装 オーブンフレッシュ・ベーカリーのデザイン

オーブンフレッシュ・ベーカリーのデザイン(ちば まさゆき執筆)

目次


(1)ベーカリー業界の最新動向

日本のパンの創世記は庶民には”高嶺の花”
 日本のパンの租といえば日本陸海軍の創始者である江戸川太左衛門。江戸時代の天保13(1842) の試作以来、兵糧用日本で広まったパンだが日常食として庶民の間で広く食べられる様になるのは、明治初めに入ってからであった。 外国のパンが上陸したのは横浜、安政2年(1855)の日仏和親条件が結ばれて以降、フランス人が浜 に入りフランス居留地の人のためにパンを焼くベーカリーが登場した。文久3年(1863)には「横浜ベーカリー(現 ウチキパン)」が誕生。 ホテルのベーカリーも多くでき、日本人にも食べられたが、食べるのは、食べるのは一部の人に限られていた。
 今、パンの世界がどんどん広がっている。食パン・バゲット・クロワッサン・あんパンやカレーパン、こだわりパンにおいしい惣菜パン。 そして人気爆発のシナモンロールetc世界中には独特のパンがり、その酒類、形、色、味わいなど、実にさまざまである。日本でも本格的な 世界のパンを作るベーカリーが増えてきている。そして日本独特のユニークでオリジナリティのあるパンを作る店もいっぱい増え、 更にカフェやレストランではパンはスナック食からの領域を越え、おしゃれでおいしい料理やデザートの域に達し、メニューの幅を広げている。
 最新動向
①パンの焼きたて、香り、においなどの臨場感のえんしゅつ。本物志向、石窯使用  (窯のダクトを店頭に出して、パンの焼ける香ばしい匂いを醸し出す)
②自然酵母・有機小麦・岩塩・水。素材と製法にこだわる実力派が増えてきている。
③日保ちする焼き菓子。それをファッショナブルに包装したり、デザイン容器、デザイン箱を使用  したりしてギフトの強化をはかる。その店の顔となる焼菓子がいくつかあればギフト商品の売り  上げを伸ばしていくことができる。  ※原価が低く抑えられ、利益率が高くなる。  ※焼き菓子の良さは利益率の高さ、日保ちがきくこと以外に冷凍保存も可能という点、つまり時   間の空いている時に大量に作っておき、冷凍で保存して、必要量を回答しながら店頭に並べて   いける。商品展開がしやすいアイテムといえる。
④サンドイッチなお比率の高いショップは、そのサンドイッチの具を活用して惣菜として提供  する。それをファッショナブルにデリとして演出。そして更に、フレッシュベーカリー(作りた  てのベーカリー)がイートインのスペースを持ち、サンドイッチ、ペストリーの合わせてコー  ヒーなどの飲み物を提供し、テイクアウトを行うベーカリー&デリカフェ。
⑤パリの下町のベーカリーショップ、ドイツの森の近くにあるベーカリー、大正モダンの下町の  パン屋など○○風のデザインショップ。シャープでミニマニズムデザインショップ。木・レンガ  ・石など素材のよるベーカリーショップ。それぞれの臨場感を出すことはもとより、最終的には  そのショップでしか味わえない空気とか、そこでしか過ごせない時間のようなものを醸し出す。  空気感・居心感の演出が益々重要になってくる。 近未来的には欧米型の食生活がますます進み2003年には酒の自由化も考えられる。 そこでパンと相性の良いワインの勉強をして最終的にはベーカリーとワイン併用のショップ展開など。焼きたてパンと最強の友・ワインとの相性は絶品である。


(2)ベーカリーの機能計画(レジ・包装台・レジバック棚・陳列棚・ショーケース)

 店内のお客がトレーを手に取り、お客自身が気に入ったパンを選んで自分が選んだいろいろなパンを入れたトレーを 捧げ持つ形でレジカウンターの前に並ぶわけでピークの時は多くのお客が溢れるので、レジカウンターの前は余裕をもってスペースを確保する必要がある。 又、レジカウンターの長さもレジ係、包装係の2人が入れる最低でも1800mm以上の長さが必要だと思われる。高さはレジ台のTOPでH900mmを基準とし、 包装台も兼ねるだけにあまり高くしないように、又、女性従業員の背高も考慮しながらレジカウンターの高さ調整が必要である。レジスターはあまり見栄えが よくないので、レジスターの前を装飾パネルなどでデザイン処理する場合もある。お客さんが手荷物やバックなどを持っているため、レジカウンターの前には バック置きなどの棚が腰当りに設置されていれば親切である。レジカウンター内部は、包装紙、手揚げ袋、ビニール袋などを収納するスペースを機能的に配置し、 いろいろゴミなども出るので、ゴミ箱なども設置したい。レジカウンター廻りに必要な機能として、スライサーがある。食パン用のスライスの注文を受けることも多いため、 レジカウンター付近に必要になる。高さ的にH800mmぐらいでコンセントが必要。又、上部にはスライスした食パンを置く棚が必要でパンの粉が出るので、 ステンレスパンチングメタルを使用すると良い。そして近くにトレーやトングを洗える大型シンク、洗ったトングを掛けるステンレスパイプを設置する。 機能的導線をレジ廻りに集中するため、通路などのスペースは広めに計画すべきである。 又、レジでお金を払う時の衝動買いへ導くため、焼菓子、クッキー、ジャムなどを陳列できる機能をレジ下にデザインする場合もある。


(3)ベーカリーの平面計画・概要

ベーカリーショップは普通の物販店とは異なり、製造部門と販売部門を持つ特殊な業態である。 限られたスペースの中で機能と販売、効率、設備の容量などを常にバランスを考えて計画しなければならない。その中でもパンの製造設備と 提供するパンのアイテム数との関係、必要とされる能力に合った厨房スペースと売上を確保するための売場面積など、機能と販売のバランスを 常に考える必要がある。必要とする能力にあった厨房スペースを取るという事は厨房を広くするということであり、売上を確保するという事はある程度、 売場のスペースも広くするということで、常に矛盾がつきまとう。しかし、売場は面積よりも商品ボリューム感とある程度のデザイン処理によってカバーすることも 考えられるので、まず毎日繰り返し行われる製造部門の厨房側をしっかり考える事が大事である。通常、厨房と売場の割合は、厨房60%に対して売場40%というのが原則と 言われているが、ベーカリーショップというのはレストランのように様々な調理器具や機械が必要なわけではないが、やはり、オープンなどの大型機械が入るので厨房は売場よりも 広めのスペースをとってゆったりと仕事ができるようにしたいものである。

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(4)ベーカリーの厨房計画

又、粉の問題でエアコンがすぐ壊れてしまう事がある。エアコンは厨房内の空気を吸ってエアーを出すわけで、 その空気中の粉を吸うことによって、エアコンの故障の原因になってしまう。図○のようにすることによって売場の涼しいきれいな空気を吸って 更に厨房内に冷えたエアーを出すことができ、エアコンの粉による故障を防ぐ事ができる。その他、厨房と売場の導線や焼き上がったパンの供給経路、 厨房内使用原材料の搬入経路、授業員の出入り口、倉庫、トイレ、更衣室、休憩室、バックヤードなどの関係も考慮して全体計画を設計するのはもちろんの事である。
※保険所への届出
 営業を始めるには施設基準をクリアし「営業許可書」をもらわなければならない。営業許可申請書を提出し、店舗の立ち入り検査を受ける。 「営業許可書」を申請するには「食品衛生責任者」がいることが必要で、これは保健所で申込書をもらって記入sいて郵送し、 その後1日(9時〜16時頃まで)の講習を受ければ取得できる。又、営業内容によってもチェック項目が変わってくる。サンドイッチをつくらない場合は「菓子製造業」。 サンドイッチをつくる場合は「菓子製造業」と「飲食店営業」の扱いになり、牛乳を販売する場合は別に「乳類販売」の許可がいり、手洗いを設置する必要がある。しかもそれぞれ手数料が必要である。
建物
※不潔な場所に位置していないか。
※住居と区別され、住居の玄関と別になっているか
厨房
※厨房が家庭の台所と別になっているか
※売場と厨房は戸で仕切れるか
※事務所と厨房は別か
※天井はツルンとして拭き掃除ができるか
※壁は耐水性があり、掃除しやすい仕上か
※流しは2槽になっているか
※パン型を戸棚にしまうことができるか
※粉類の保管はストッカーで行えるか
給水・汚物処理施設
※使用する水は水道水(上水道)か水質基準したり塩素減菌装置等のある井戸水か
※汚液汚臭漏れのない蓋付きのゴミ箱はあるか
※従業員用の便所とお客様用の便所があるか
※掃除用具および、その収納設備はあるか


(5)パン棚のデザイン

 セルフスタイルベーカリーショップのパン陳列棚は3段棚と4段棚の場合があり、店舗の規模商品アイテムによって決められる。 4段棚の場合は目線の高さとパンを取りやすくするため、高さが自ずと決まってくる。最大でも1300mm~1350mmである。4段の時は棚ピッチが狭くなるので、 2段目以降各下段は順次手前に出す必要がある。棚の機能としては単純なので、店舗のコンセプトによってデザインを考える事が出来る。棚の長さはパンを並べる トレーの寸法を考慮しながら考える。トレーは、プラスチック、金属製、籐製などがある。3段、4段共、棚の奥行き、棚の高さなど、充分に考慮する必要がある。 各棚の滑止めとして、コボレ止めパイプの有無が問われる。コボレ止めは傾斜棚の時は必要であるが、平棚の場合はトレーの出し入れの邪魔になるので不要の事が多い。 又、棚を利用して商品説明のPOPカードを分かりやすくきれいに見せる必要がある。機能性ときれいに見せるため、棚の厚さを利用し、スチールバーを取付け、パウチしたPOPに磁石を貼り、 それをスチールバーにつける場合もある。各棚の照明はパンのできたて感、生地肌を効果的に見せるため、演色性のある色温度(2800k~3200k)スリムラインなどの球を選定する必要がある。
トングトレー台
 ベーカリーショップに入り、最初に手に取るのがトレーとトングである。その置場は、何よりも取りやすいという利便性である。やはり、店舗のコンセプトにあったデザイン、 グレード感を持たせる事が必要である。又、手に荷物を持ったお客のために小さなカゴを設置している店もある。


(6)おいしく見せるためのベーカリー照明計画

 テーブルに並んだゴツゴツとしたルックス、しっかりした焼き色の「パン・ド・カンパーニュ」。 焼き色がしっかりとし、皮の感触はパリパリと乾いた音がするような「バゲット」。女性のように優しく扱わなければいけない上品、 優しそう、セクシー、ふっくらとして美しい「クロワッサン」など、焼きたてのパンを美味しく又、美しく見せるためには照明をしっかりと計画しなければならない。
●光源:クリプトン球・ハロゲン球など、フィラメントの発光によるランプ
    (光源が点光源に近いため、パンの立体感の表現に適している)
    (ツヤ・テリという揚げ物などの表現に適した光源)
   :蛍光灯のランプ(ただし演色性に優れたタイプが良い)
    (蛍光灯は拡散光であるため、平面的な物の表現に適している)
    (全体的な明るさの表現:きめの細かいさ等の表現に使用)
つまり、各光源の特色をうまく活用することが必要である。
棚下やベース照明・間接照明にて蛍光灯などの拡散する光源を使用し、全体の明るさを確保する。パンに対しては「作りたて」を強調するため点光源であるクリプトンやハロゲン系の光源をスポット的に使用する。
※美味しく見せるためには**混光が必要**
●色温度:点光源のランプの大半は3200k(ケルビン)前後(2800~3200k)形・質感などの表現以外に重要なのが色温度である。火・炎などを用いて調理・作り上げた物は、火や炎に極力近い色や特性の光で演出するのが一番である。
●照度:適正照度というのはイメージによって異なるが、大体350lx~800lxくらいである。
 別紙「色温度ごとの適正照度表」参照。
●照明計画:別紙図参照。


(7)石窯設置のチェックポイント

 窯=オーブン(Oven)  日本的には釜戸のこと。一般には箱型の過熱処理器具であ天火ともいう。過熱された壁面の放射熱と高温の空気の対流で食品を蒸し焼きにする。 火の中に食品を埋込み、上で火を炊いて蒸し焼きにする方法は古くから行われていたが、本格的にはパンを焼く道具として発達した。蒸し焼きは直火や気に比べて、 熱の当りが柔らかく内部まで充分過熱され、しかも香ばしく焦げ色がつく。
 石窯=ストーンオーブン(Stone Oven) 石窯は幅射線(赤外線及び遠赤線)効果でパンの中心部までじっくりと焼く事ができ、断熱蓋熱効果に優れ、窯の温度が下がりにくくランニングコストも安くすむ。
石窯設置上のポイント
①窯表面の石の種類により、窯の表現がいろいろと楽しめ、ベーカリーショップのこだわりや考え方などを表わす事ができる。
②窯の総重量が石のため、非常に重いという事で、スペイン窯の焼成室直径2250φ〜3000φで17500㎏~23000㎏もあり、設置する場所を特に注意する事が大切である。 (床スラブへの積載荷重も考慮して、できるだけ梁上に配置する必要があり、補強を考えて㎡あたりの荷重を分散化することも大切である)※設置場所の床は水平レベルを保つことはもちろんの事である。
③窯の電気容量、特にメーカーによって異なるが、ガス容量60000Kcal位必要なため、よく考慮する事。
④スペイン式の窯は窯軸本体を先に取付けるため、天井高さは最低CH2700以上必要。又、排気コード、窯内部温度最高で230℃あるなど、高熱・換気面から、 できるだけ天井高さは高い方が良い。又、石窯はベーカリーショップのこだわり・手作り感などを表現し、石窯の存在感で窯の炎、パンの焼きあがりの香りなどを お客様に見て感動してもらうためにも入口の正面や、入口付近に設置したいものである。
パン焼き用石窯の種類
1)エジプト式…※1
 ○特徴…①炉床 円形
     ②天井 半球
 ○種類…①エジプト式:床で直に薪を燃やしてパンを焼く
     ②ギリシャ式:窯の下部が炉で、上部が燃焼室
     ③イタリア式:エジプト式をベースに保温性を高めた窯
     ④スペイン式:ギリシャ式をベースにロータリーオーブン
2)ドイツ式…※1
 ○特徴…①炉床 長方形
     ②天井 薄鉾型
 ○種類…①直火焚き:床で直に薪を燃やしてパンを焼く
     ②木端焚き:炉で薪を焚き、燃焼室を暖める
     ③軸火焚き:炉床の左右の溝が炉で、中央が燃焼室
     ④燃焼ガス循環式
3)スペイン式…※2
 ○特徴…①炉床 円形
     ②天井 円形
 ○種類…①窯の下部が燃焼室
     ロータリーオープン
※1株式会社櫛澤電機製作所 TEL:045-431-1178
※2株式会社ザビエール   TEL:03-3359-0827

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(8)ベーカリーの営業形態

日本酒、ワイン専門店では設置する場合が多い。特にワイン販売に力を入れている店などでは必須条件といえるが、 店の奥にあったり温度を一定に保つためドアが付いており、非常に入りづらくなっているセラーがほとんどである。そのため、なるべくスムーズに入ってもらえるワインセラーを、 クローズドタイプながら左右両方に入口を設置し、そしてガラス貼りで開放的にして気軽に入っていけるよう、またすぐ出ていけるようにしてある。 このセラーの最大の特徴は温度と温度の安定を図る機能である。特に温度に関しては呼吸する石調温材(火山の爆発によって生じた火山礫で物理的には多孔質であるため、 透明性、通気性、保水性、吸着性に優れており、高温時には余分な水分を吸収し、温度100%という結露を防ぐ。また、低い温度の外気が入ってきた時には 火山礫穴に含まれていた水分を蒸発させる自律性自然呼吸石)を床に敷き、壁面にも取付け、ワインセラー全体を調温させる役割を長期間保持する空間に仕立てている。


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